スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

相原信洋さんの思い出 その4 怒りのアイちゃん

怒りのアイちゃん

 「その3」で、相原さんがアニメ塾のみんなが作品を作っていない事に怒っていた、と書いたが、その頃の相原さんはよく上映会をしていた。

 相原さんの上映会には、いつも人がたくさん来ていた。そして、「こんちは、アイハラです。」という挨拶から始まって、ちょっとしたトークがあり、上映があって、最後に相原さんのトークがあって終わっていた。

 相原さんのトークは、記憶によれば、「自分の作品を作らないとダメだ。CMとか、TVアニメとか、いくら絵を描いて、あれは私の描いた絵です、と言っても、それは他人の作品で、自分の作品ではない。」という話を基調にして、作品を作っている人の話やら、昔作っていて今作っていない人の話やらだった。このあたり、上映会のトークと、上映後の飲み会の話がごちゃごちゃになっているのだが、大きく間違いではないと思う。

 「TVアニメはダメだ。」というトーンもあったように思う。また、上映会には、作家が来ないとダメだ、とい事も言っておられて、「だから、僕はいつも自分の上映会は自分でやるんです。」というような発言もあったと記憶している。

 さて、どこの上映会かは記憶が定かではないが、多分関西での上映会だとは思う。(自分が行っていたので)上映後、例によって観客は皆残っていた。そこで、出てきた相原さんは、いつものトークを始めるのかと思いきや、「何ですか。何を待ってるんですか? また、TVアニメの悪口が聞きたいんですか。」と、やや、怒った口調で言われたのである。その後、いつものトークがあったのかどうかは、記憶が定かではない。

 要は、「作りもしない連中が、TVアニメの悪口を面白がって聞きに来ている」という事について、(これは、ある程度当たっている)怒られていたのだろう。「俺がこんなに一生懸命やっているのに、あいつらは何だ。」

 まあ、キリストや仏陀でも怒った事はあっただろうし、自主制作アニメーションの布教者の第一人者である、相原信洋氏がたまに怒っても当然かもしれないが、この日は意外な感じがした。

 さて、時は過ぎ、東京と京都で相原さんは「アニメーション・ニューウェーブ」という上映イベントを行っていた。何回目かの京都会場・京都書院ホールで、上映の運営に当たっていたヴォワイヤン・シネマテークの方に、相原さんが怒っていた。「なんで作った連中がこないのよ。」「作家の方々には連絡したのですが」「あんな学生なんか、作家じゃないよ!」怒られていたのは、ヴャワイヤンの平田さんだったと思う。

 「作家は、上映会の会場にいるべきだ」という心情の相原さんとしては、「作った連中が作品だけ送って、顔を出さない」という事は許せなかったのかもしれない。

 さて、京都造形芸術大学で教鞭を取るようになった相原さんは、ある飲み会(黒坂圭太さんの結婚式の二次会のように思う)で、若い学生達に怒っていた。「君たちは、幸せだから作品が作れないんだよ。不幸にならないとダメだよ。バイトの給料なんか、一回落とせばいんだよ。」ここまでくると無茶苦茶であるが、一面の真理もあるとは思える。
 満ち足りた人間はなにも作品を作る必要もなく、何か欠けた所のある人間が、そこを埋める為に作品制作をする、というのは、自分にも思い当たる節がある。
 (ちなみに、当時の学生さんは相原さんの事を「アイちゃん」、講師の山元るりこさんの事を「ルリルリ」と読んでいた。今回のタイトルの「怒りのアイちゃん」はここからいただいている。)

 最後に、相原さんが怒っていた記憶があるのは、KAVCでの上映会の時だったかと思う。いつものように前で挨拶してトークを始めた相原さんは、「若い連中は17-8ではじめて、23-4になるとみんなやめちゃうんだ」と言っていた。この発言に関しては、別の方も言及されていたので、間違いの無い事だと思う。

 ただ、才能があるかどうか、という事については、本当に「やってみないと判らない」それも、適当にやるのではなく、ぎりぎりまでやってみて初めて判る事だとおもう。普通、何年かやってみれば、自分に才能があるかないかは判る。無いとわかったら、そこでやめてしまうのは、かならずしも不自然な事ではないと思う。

 この、「作らない事、作らない奴に怒る」という事は、最後に助手をされていた方が、「最後は、どうも「自分の方がおかしい」という事に気づいておられたようです」と言っておられたので、晩年はあまり怒っておられなかったのかも知れない。

 今回の写真は、90年10月頃、飲み会の写真。いただき物の写真です。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

かにの社長

Author:かにの社長
1974年頃より自主制作アニメーションを作り続けています。自称「自主アニメの岩田鉄五郎」、最長不倒記録を更新中。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。