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70年代のアニメーション自主上映

鉄扇公主上映会チラシ

 この度、日本アニメーション学会の西日本支部というものが出来る事になり、準備会2回と第一回の研究会に参加した。

 第一回の準備会のおり、「なにかの参考に」と思い、70年頃の新聞記事・チラシなどをスクラップしたものを一冊持参し、会議後の懇親会で披露したところ、「おっ」「何だこれは!」という声が上がった。

 この日本アニメーション学会というものは、主に大学等でアニメーションの教育・研究に携わっている人で構成されており、今年で創立15年になる。(ちゃんと日本学術会議に登録された団体で、ナントカ学会の類いではありません。)

そのメンバーも若い方もいれば、50代以上の方も結構いるわけだが、現在大学等で教育に携わっている50代の方の多くが、あの頃の「アニメーション自主上映」に参加していた事が判明したのである。

 この「アニメーション自主上映」というものは、劇場でかからないアニメーション映画を、有志・サークルで借り出して、市民会館の会議室などにフィルムと映写機を担ぎこんで行うものだった。当時のアニメーションファンは、テレビでテレビアニメを観る他は、劇場で「東映まんがまつり」等を観に行くしかアニメーションを鑑賞する方法が無く、この「アニメーション自主上映」は、普段観れないアニメーションを観る唯一の機会だった。

 この頃は丁度劇場用長編アニメーションの公開が非常に少なくなっていた事も有り、「飢餓感」をもったアニメファンは、月に数回の上映会に「殺到」した。上映のラインナップとしては、各国の大使館フィルム(各国の大使館が、自国の文化PRのためにほぼ無償で貸し出してくれるフィルム)、PR用映画(企業や財団法人、官庁などが活動広報の為に制作した映画。人形アニメなどの秀作が多い。)、フィルムレンタル業者(上映会用に、劇場用の長編アニメやTVアニメを貸し出す業者)のフィルム、個人コレクション(映画図書館プラネットなど)のフィルムなどだった。

 この「殺到」の度合いだが、定員36人の会議室に100人以上が押し掛け(消防法違反もすでに時効と思う)、映写機の台の下にもぐりこんだり、壁際にクモ男のように張り付いたりして無理矢理みたものの、会場内酸素不足で全員の頭がおかしくなり、ギャグでもなんでもないシーンで全員が爆笑をつづけたり、某実験系アニメーション作家の上映会にアニメファンの中学生の女の子が来て鑑賞後呆然として、「ヤマトみたいなアニメじゃなかったんだ」と言って帰ったとか、エピソードに事欠かない状態だった。(写真は、神戸で行われた「鉄扇公主」のチラシ。この上映会には、筒井康隆が観客として来場していたそうだ。)

 もっとも、この「アニメなら何でも観る」という姿勢が、海外のセルベやグリモーなどの秀作に出会うきっかけとなり、多くの当時のアニメファンが、商業用アニメと違う世界に眼を開くきっかけとなったと言える。

 現在では、DVDでアニメーションがいくらでも個人所有できるようになり、ちょっと英語ができれば海外から個人輸入で海外作品の原盤を直接入手することも難しくない。その上、年間に公開される長編新作劇場用アニメーション、毎週放送されるTVアニメの新作など、「全部消化するだけで大変」な状況になっている。この状態で、わさわざ、自分の好みでないアニメーションを探して、上映会に、鑑賞しに行くなどという事は考えづらい。

 その頃の、「とにかくアニメーションが観たいが、観る機会が非常に少ない」という環境は、かえって、現在のアニメーション研究の盛り上がりに、大きく貢献しているような気がする。
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かにの社長

Author:かにの社長
1974年頃より自主制作アニメーションを作り続けています。自称「自主アニメの岩田鉄五郎」、最長不倒記録を更新中。

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